令和元年7月25日(木)に、探究科学科1年の80名が生物班、地学班、歴史班、地理班の4班に分かれ、「立山の自然を科学的に学ぶとともに、立山の歴史にふれ、郷土の自然や文化を慈しむ心を育てる」ことを目的に、立山実習を行いました。
【生物班】
美女平、室堂、弥陀ヶ原で、優占する樹木の樹高計測および出現する植物の種類の記録を行いました。標高によって生育する樹木の種類と森林タイプが変化することや、同じ植物でも、環境に応じて形態を変化させて適応している様子などを学びました。外来植物が予想以上に侵入していることも実感し、自分たちが立山の自然を守るためにできることを考えるよいきっかけとなりました。
【地学班】
立山をつくる白い岩石(花崗岩類)と、弥陀ヶ原をつくる黒い岩石(安山岩質溶岩)を観察しました。また、室堂からみる氷河地形、水蒸気爆発でできたミクリガ池、噴気をあげる弥陀ヶ原火山等をじっくりと観察しました。今までとは違った視点をもつと、自然の見え方が変わることが驚きでした。その他にも、常願寺川沿いの大転石の体積測定や、標高ごとの気圧を沸点および気体の体積変化からの測定を行いました。
【歴史班】
まず立山博物館で、立山の自然と歴史について学びました。立山曼荼羅の解説も聞き、「なぜ白い月と赤い太陽が同時に描かれているのか」など、曼荼羅の図像を通して、当時の人々の世界観に触れました。その後弥陀ヶ原へ移動し、餓鬼の田など立山曼荼羅に描かれている世界を実際に見学しました。立山信仰が自然と深く結びついていることを実感し、さらに理解を深めました。これまで意識することなく見ていた立山の奥深さに触れ、新しい視点で「立山」を考えることができました。
【地理班】
「再生可能エネルギーの可能性を探りつつ、エネルギーのベストミックスを考える」というテーマのもと、太陽光発電所、小水力発電施設、有峰ダムを利用した水力発電所の見学を行いました。太陽光発電は、環境にやさしいという長所の反面、日照時間の短い北陸では発電効率が低く発電コストも高いこと、小水力発電は、全国第2位の富山の豊富な水資源を活用しできるが、設置・維持費用が高く、発電技術の向上が今後普及の鍵となることを学びました。
7月26日(金)に事後研修として、班毎にポスターを作成し発表を行い、研修内容を共有しました。