高岡高等学校 アメリカ研修報告
~ 3月3日(木) 2日目 ~
到着から一夜明け、今日のボストンは良く晴れていましたが気温は-2℃程度と冬のボストンらしい寒い一日でした。朝7時からの朝食に現れた生徒の多くは快適に過ごせたのか、すっきりとした表情が多かったように思います。しかし早速時差ボケもあり、あまりよく眠れなかったという声も聞こえてきます。世界を舞台に活躍するために、まず乗り越えなくてはならない壁の一つといったところでしょうか。
朝食後、現地高校「John D. O’Bryant School of Mathematics & Science」の訪問に出発しました。ボストンの街中に立地する同校は多様性を重んじる校風が特徴で、様々な人種、様々な経済環境の生徒が在籍しており、皆さん流暢に英語を話しますが、半数以上が英語を第一言語としていません。地域の中でも非常に優秀な学校で、ハーバード、MITとも連携が強く、訪問した日もMITの教授が授業を行っていました。
到着後、図書館でWelcome Ceremonyが行われ、先生から本日の流れの説明、現地生徒から歓迎の挨拶を受け、高岡高校からも自ら名乗り出た生徒が代表して挨拶を行いました。その後O’Bryant Schoolの生徒と本校生が1対1でバディを組み、ティーブレイクで交流した後、現地授業へ各バディと一緒に3時間参加しました。
参加した授業は英語、フランス語、イタリア語、化学、生物、歴史、数学など多岐に渡りました。中でも「数学は理解できた」という声も聞かれましたが、ほとんどの授業は「全くついていけない」と焦りの声が多く聞こえてきます。ランチもバディと一緒にとる姿が見られましたが、現地のナチュラルスピードの会話にはほとんど全ての生徒が圧倒されている様子でした。また英語力以上に課題だったのは、会話を続ける話題の不足だったかも知れません。会話が途切れ、無言でランチを食べる姿や、日本人同士で過ごしている姿も見られました。事前研修でも伝えてきた「最低10個の自分の武器」をどこまで使えたでしょうか。ただ何かが起こるのを待っていたり、できない・やらない理由を探してしまうとそこで終わってしまいます。周りに現地生徒はたくさんいます。与えられた自分のバディという枠だけでなく自ら話し掛けに行く意識が、この後の研修にも何より大切になってきます。今何をすべきか、この貴重な一瞬一瞬を無駄にしないために、自分自身で常に考えることが重要だと思います。
9時頃から始まった交流は14:00に終了しました。現地の先生、生徒から交流に対して感謝を表す挨拶を頂き、本校生の代表からも感謝の挨拶を送りました。バディの現地生徒の皆さんは授業も熱心に教えてくれ、とても印象深い訪問交流になりました。たった半日過ごしただけですが、「I miss you!」と抱き合う姿も見られました。それだけ良い交流ができたということと思います。バディ以外の生徒達も、本校生に高い関心を示してくれていたことがとても印象的でした。しかしそのバディの優しさにかなり救われていた部分があるのも確かです。例えば理解できない時うやむやにせず、しっかり聞き返して疑問を残さなかったか、意味が理解できないために、YES,NOの明確な意思表示を怠らなかったか、会話が難しくても、諦めず様々な話題に自ら挑戦し続けたか、英語力以外の姿勢の部分でも、納得いく取組みができたのかを1人1人振り返ってみてもらいたいと思います。
O’Bryant Schoolを後にすると、地下鉄を利用してボストン美術館(Museum of Fine Arts)に向かいました。徒歩でも行ける距離ではありましたが、通学の練習を兼ねてGPIスタッフから地下鉄乗車に関して詳しいレクチャーを受けました。しっかり確認をしましたので、明日は迷わず登校できることを期待したいと思います。
ボストン美術館は1時間程度の滞在となりましたが、簡単なワークシートを使いながらピカソ、モネ、ゴーギャン、ルネ、ゴッホなど、世界の名だたる名画を鑑賞しました。アメリカの美術館の特徴で、どんなに著名な大作も近距離で鑑賞ができ、写真撮影も可能です。教科書で見た絵画の本物の迫力は生徒にとっても印象深いものであったかと思います。
ボストン美術館を鑑賞した後は一度滞在先に戻り、そこから荷物を持っていよいよホームステイ先に向かうことになります。「緊張する」といった声も聞こえてくる中、ほんの短期間となるステイをどう過ごすべきか、よく考え取り組むようにと越後先生から檄を飛ばして頂き、各ステイ先に専用の送迎車で出発しました。
初日のホームステイを終え、明日どんな表情で登校するのか、また明日から始まる現地大学生とのセッションにどう取り組んでいくのか、報告を楽しみにお待ち頂ければと思います。